**************************************************************
URLとドメインを変更しました。ブックマークは新しいURLにてお願いします。
NEW:
http://www.travel-biz.net**************************************************************
旅行会社人生、長く勤めていると誰しも、辞めたい・・・なんて凹んだ気持ちや、
もっと給料の良い仕事が無いか? と心揺れることがあるはずです。
私も3度ほどそういう波にさらされ、その都度生還(辞めない)しました。今は
辞めてしまったので、最後の波には乗っかってしまったということですが。
それはさておき、過去辛い想いをした時に、「やっぱりもう少し頑張ろう」と心
を支えてくれたのは添乗の経験が多かったように思います。
勿論、組織であれば、一緒に頑張ってきている同僚や、後輩が居るから、という
意識にも随分引っ張ってもらいました。ここで、先輩、とは敢えて書きませんが、
自分は、あの先輩、上司が居るから・・・と言える方は幸せです。
先に、添乗中に歌を暗記された、目の不自由なお客様の話をしましたが、あれとは
一味違う経験を久し振りに思い出しましたのでご紹介します。高校(男子校)の
修学旅行添乗の想い出です。
今は学校により違うようですが、旅館、ホテルでの消灯後の館内見廻りがひとつの
仕事です。騒がず、早く寝なさい!と寝かしつけて、みんなが寝静まるのを待って
その日の添乗業務終了。共学校だと、男女の行き来が無い様、見張り業務も追加です。
終わったら学年主任と生徒指導の先生とに「生徒さん就寝されました」と報告です。
これは旅行会社の仕事ではない! 先生の仕事だ! と、見廻り業務を呑めない
社員がいます。中には、「いえ、我々の仕事ですから」と先生方が見廻りをされる学校
もありました。
はっきり言って、見廻りをして、添乗中の睡眠時間が日に1〜2時間しか取れない
激務が修学旅行の添乗でした。今でもそうなのでしょうか?
まあ、旅行会社としても、担当者としても、修学旅行一本獲得するのと落とすのでは
天国と地獄の差があります。地べたに這いつくばってでも頑張るしかありません。
そんな中で、営業先の先生方は皆さんキーマンです。業者決定に皆一票づつお持ちです。
先生のおっしゃる事は何でも聞き、信頼を勝ち取るべく一年間(通常なら)セールスに
通います。そして添乗業務は来年度に向けてのセールス総仕上げの舞台です。
見廻り反対組は、行き過ぎた営業行為のせいで、先生方が業者を業者としか見ない、
高飛車な態度を取らせる結果になる、と唱えていました。
言いたいことは解ります。
さて、ある男子校の修学旅行の添乗中のお話です。
就寝時間から30分ほど時間を置き、いつもの見廻り開始です。
廊下で耳をすませ、騒いでいる部屋に踏み込み、「寝なさい」の指導。
確かに添乗員の仕事でもないな・・・と思いつつ。
とある大部屋。部屋の定員を1.5畳に一人、という部屋割りをしていたのですが、
確か30名近く居た、大きな部屋でした。
廊下から踏み込みを挟んだ奥の部屋がやたらうるさい、というか騒がしい気がしました。
部屋のドアを開け、踏み込みに上がると、消灯したはずの部屋のふすま越しに灯りが漏れ
ていました。
全く・・・と思いながら、結構な勢いでふすまをガラッと開けました。「寝ろ!」と
言う為に大きく息を吸い込みながらです。
部屋の光景はこうです。
寝巻き代りの体操服姿の30名近い生徒。畳も見えないくらい敷き詰められた布団。
四面壁を背中に座り、全員が肩を組んでぐるっと大きな一つの輪になっていました。
聞こえていたのは、彼らが声を抑えながら歌う「青春の詩」でした。
何の歌だったか判りません。
でもきっと、古い世代なら橋幸雄の「高校三年生」、今ならいきものがかりの「エール」。
そんな歌でした。
私は見てはいけないものを見てしまったような、恥ずかしさと申し訳なさを感じました。
思わず、「失礼!」とだけ残して部屋を出ました。
今、大雑把に逆算すると、彼らは30代中盤くらいの立派な社会人の世代です。恐らく
彼らの多くが修学旅行の大部屋の事を覚えていて、折に触れて思い出しているのだろうな、
と期待します。
永きに渡り、旅行業に携わった中で、諸般迷った時に、頑張ろう、という気にさせて
くれた経験のひとつです。
だからどうだ、とは言いませんが、旅行業で働きながら、一生忘れないであろう様々な
瞬間に皆さんが出会い、それぞれが大切な財産となれば良いなと思います。
にほんブログ村