2013年08月28日

trippiece CEO 石田 言行氏のビジネス

 以前から何度も引用していましたトリッピースのCEOインタビューとビジネスについて
東洋経済オンラインの記事が出ましたのでご紹介します。

 新世代リーダーtrippieceCEO 石田 言行 あきらめない平成起業家の世界を変える"旅"

 旅行をSNS内で、コンセプトごとに、この指とまれ的に、言い出しっぺのもとに賛同者
が集まり、旅行が成立する場を提供しています。

 よって、旅行会社ではありません。

 成立した旅を複数の旅行会社に手配してもらい、売り上げから一定の手数料を取るビジネス
モデルとなっています。

 弱冠23歳の社長が大学在学中に起業した会社で、2011年のサービス開始から9千人の
会員が旅行に出発しています。

 この旅行のビジネスモデルは先日、観光庁長官賞を受賞し、更に世の知るところとなりました。

 私の感じるところでは、このビジネスのキモは、

 1.ソーシャルサービス
 2.場貸し

 の2点に尽きると思います。

 特にトリッピースという会社や、石田CEOが、会員の心に刺さる企画を苦労して捻り出す
必要もなく、サービスへの参加者が旅行者目線の企画について会員同士でツアーを成立させる
という、言わば「旅行会社不在」のツアー造成機能、と言って良いと思います。

 「顧客不在」と対極です。

 以下引用

 そんな石田が率いるトリッピースだが、ただの学生発ベンチャーではない。何せJTB(ジェイ
ティビー)やH.I.S(エイチ・アイ・エス)などの名だたる大手旅行会社10社近くとの提携関係
を作り上げただけでなく、今年6月には若者の旅行振興への貢献が評価され、観光庁長官賞を受賞。
つい先日の8月6日には米国系ベンチャーキャピタルなどから2億円の出資を受けるとともに、SNS
大手ミクシィ(mixi)の元CFOを務めた小泉文明氏を取締役に迎え入れることも表明した。資本金
はなんと創業時の数百倍にも膨らむ。

 引用以上

 JTBやHISとの提携、とありますが、大手がビジネスモデルを真似ることをしていません。

 旅行会社は自前ではないサービスを代理販売する形で商売を展開してきました。しかし、代理業
からの脱却を目指して、企画提案やソリューション、スケールを生かした付加価値で差別化された
商品企画を行ってきました。

 一方、ウェブ専業やホテルサイトのシェアの拡大に対しては効果的な対抗策や追撃が難しい状況
にあるように見えます。

 何故トリッピースの真似をしないのでしょうか?

 答えがある訳ではありませんが、一つには彼らが旅行業者ではないから、つまりその先の手配を
請け負うことに興味を示したかもしれません。

 つまり、トリッピースは団体旅行で言えば「オーガナイザー」とも考えられます。

 表に立つリスクを考えれば巧く回避しているとも言えますし、逆にオーガナイズすれば良いのに
というもったいなさも感じます。どちらが良い、悪いではないのですが、石橋を叩く体質も感じます。

 氏の起業のバックグラウンドには社会派的な視点があり、旅にそもそもの目的を持たせるという、
至極当り前の、旅の原点とも言える動機がそのままビジネスの原動力になっていると感じます。

 決して商業主義、儲けから入っていないようです。

 そして、目的を持った旅をSNSのネットワークで拡散する手法に、ためらいの無い世代である
こともコンセプトを最大に生かすアドバンテージであろうと考えます。

 以上2点が旅行会社にはやりづらいことであったという想像も出来ます。

 以下引用

 トリッピースには「値段検索」機能がない。そもそも値段をうたったプランが皆無だ。これまで
の旅行は、まず行き先を決めて値段検索をするというのが典型だった。実際、大手旅行会社の広告
には格安ツアーが並ぶ。一方で、トリッピースのユーザーたちが求めるのは「どこに、どれだけ安
く行けるか」ではなく、「どこで、何を体験するのか」。そして、ひとつとして同じプランはない。
価格ではなく、内容で決める。初の海外旅行でハワイではなく「象使い」に行く、といったような
ユーザーがトリッピースには多い。

 引用以上

 まず商品ありき、というマーケットは当分なくならないと思いますが、上記の若い層に対しては
現状、訴求は出来ていないことになります。

 そしてこの若いCEOはこう展望しています。

 以下引用

 目標は、年間で1000万人を旅に出せるようにすること。海外向け事業拡大へのステップとしては、
まず「インバウンド」、つまり日本を訪れる旅行者をターゲットにしたサービスを視野に入れる。
「東京のような世界有数の大都市があれば、京都のような古都もある。治安もいいし、ご飯もおい
しい。日本への旅行需要はもっとあると確信しています」と石田は声を弾ませる。 

 引用以上

 「1千万人」と「インバウンド」。どのように事業を展開するのか楽しみですし、かといって
成功するだろう、という楽観もありません。

 ただ、彼らは旅行会社とは違うセンスで、違う武器を持ってマーケットを捕捉しつつあります。

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2013年06月27日

地域振興 じゃらんの新手法

 地域振興は、地域が誘客のためにキャンペーンを張ったり、地域の想いを込めた
宣伝、あるいは交通網の整備に絡めて、運輸機関との共同企画が多く見られます。

 今回、リクルートライフスタイルじゃらんリサーチセンターがビッグデータに基
づいた旅行者の行動傾向を分析、旅行業界では馴染みが無くとも実際に旅行者が多
く訪れる名所などとの関係を分析しています。

 以下、JBPRESS(6/26)の記事を紹介します。

 じゃらん」が明らかにした旅行者の意外な足跡、カンと経験の地域活性化に
 登場した新手法とは?


 (引用)

 「全国には、このように地元でしか知られていない名所がたくさんあります。しかし、
旅行業界ではなかなか目を向けられることがありません」と話すのは、リクルートライフ
スタイルじゃらんリサーチセンターの主席研究員、加藤史子さん。

 (引用以上)

 というように、地域や施設がプロモーションや宣伝、広告を行った結果、それは全国に
訴求しなかったために、地域では好評を博し、訪問先のランキングに名を連ねることにな
りますが、全国版の旅行商品などには顔を出すことが少ないという現象でしょう。

 ただ、人気の出るスポットやサービスはウェブやブログ、SNSや口コミで消費最前線
で情報交換がなされますが、例えば旅行会社がそこまで情報を集めて商品化を図ることに
労を割いているかは判りません。

 情報が容易に入手でき、個人旅行が増え、手配も自身で行う旅行者の、行動の実態が掴
めなくなっていることは事実でしょう。

 そこで動向や傾向を記事のようにビッグデータから抽出する試みは、インターネット消費
を逆手に取った巧い方法だと思います。

 例えば(以下引用)

 2012年夏に南関東から北海道に向かった旅行者のうち、1泊しかしていない観光客の行動
範囲は、千歳空港と札幌市周辺に限定されていることが分かった。人気の旭山動物園でさえ、
連泊という時間的余裕がないとなかなか足を向けないことが、データによって明らかになっ
たのである。

 つまり、「札幌で連泊する客を増やすことが、かえって旭川市への誘客につながるのでは
ないか」といった推測も、成り立つかもしれない。

 (引用以上)

 といった、ロジカルな仮定と検証から、より顧客の欲求に近い商品企画が見えてくるかも
しれません。

 このようなデータに基づく分析から得られる方向性は、勘や利害、当事者の熱意といった
ものより、実効性が高い可能性があります。

 結局、落ち着く所は、顧客の真に求めるところは何か、という基本でしょうが、色んな場所
に蓄積されるビッグデータの活用如何で、その先の成果に大きな違いが出てくるであろうという
想像は容易につきます。

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posted by フレームツリー at 13:25| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 顧客(”答えは現場に”) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年04月12日

くまモン 写真撮影アプリ くまフォト 

 熊本旅行でくまモンと写真撮影が出来る無料アプリ(AppBank)

 何かと話題のくまモンですが、RKK熊本放送が上記アプリを開発しています。

 公式アプリはこちらからDL→ くまフォト

 iPhoneとDocomoのAndroidで動作確認されています。

 まずは、熊本を観光で訪れる旅行者向けにプラスαの付加価値であることは間違い
ありません。まるで横にくまモンがいるかのような写真撮影が可能です。

 この撮影をするには、アプリを起動させるARマーカーという、QRコードのよう
なコード付きの看板を設置してある観光箇所に行かなければなりません。

 くまモンはそのキャラクターが無料で使用できるということで、爆発的に拡がった
経緯があります。

 ただ、知る限りその多くは消費者向けの商品に利用されて、購入を促すのと同時に
熊本県を宣伝する形の使用法だと思います。

 このシステムの面白いところは、消費者は無料、ARコードを設置する事業者側が、
熊本放送にARマーカー付きの看板設置料を払うという、BtoBのビジネスになって
いることです。

 くまモン自体の使用料が無料、というコンセプトなら、このアプリの場合も事業者は
くまモンを無料使用で良い気がします。しかしながら、被写体の横にくまモンが現れる
という「仕組み」は有料だよ、というビジネス。

 RKKの公式ページにはくまフォトマーカーの設置について、条件や料金はご相談下
さい、と書いてあります。

 直接相談する立場ではないので、いくらかかるのかわかりませんが、はっきり言って
無料にすべきではないかと考えています。

 このことをきっかけに、キャラクター無料使用の本来の精神を歪曲するビジネスが現
れないとも限りません。

 もちろん、素敵なアイディアですから、観光振興、誘客の為に、届出制あるいは許可制
で、熊本県が使用料を肩代わりしてRKKに払ってあげればベターではないでしょうか。

 そしてARマーカーは航空、鉄道、、バス、旅行各社にツアー特典として使用の2次
許諾をすると、関連業界にも弾みがつきます。

 そしてベストなのは、RKKは無償提供して、熊本県の発展に寄与した、という栄誉を
県民から与えられることだと考えます。在熊民放との差別化でもあります。

 熊本県営業部長はどう思われますか?

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posted by フレームツリー at 14:38| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(1) | 顧客(”答えは現場に”) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月28日

グアムの事件について−2

 本ブログ2/13付、

 2/12 グアムの殺傷事件

 にも書きましたが、グアムの知事のメッセージがJATAのHPに出ていました。

 グアム準州知事からのメッセージ(PDF)

 準州というのは米国の50州に準ずる領土ということですが、グアム準州知事と
いう表現になっています。アンダーセン空軍基地を擁するアメリカの重要拠点です。

 日本語訳のみ掲載されていますが、添付でGVB(グアム政観)のレターもあり
ます。

 被害者とその家族の為にグアムの市民、官民で「2/12メモリアル・ファンド」
を立ち上げた、という報告です。

 安全なリゾートというステータスの低下を避けることも大切ですが、それ以上に
日本人の被害者に心からの哀悼の意を表する気持ちが、教会でのミサの映像、手向
けられた花、他多くの報道で明確に伝わってきます。

 同じ地域のサイパン、ミクロネシア連邦各国は第二次大戦終結までは、日本政府が
パラオに南洋庁を置き、領有をしていましたが、優れた統治はいまだに親日感情とし
て残っています。おじいさんは日本人だという人たちも多い地域です。

 現在、日本はインバウンドの取り組みに、体制作りから準備に余念がありません。

 是非、ホスピタリティやおもてなしの心、という課題は、表面的なリップサービス
やマニュアル化された対応を超えた、「マインド」の醸成にまで踏み込んで欲しいと
切に願います。 

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2013年02月13日

2/12グアムの殺傷事件

 昨日発生した事件、現場のABCストアには行った事のある方もあるので
はないでしょうか。アウトリガー近くで、まさにタモン地区中心街です。

 夜の10時半頃といいますから、ホテルのディナーショーや夕食のあと、
買い物をする日本人旅行客は相当数いたと思われます。

 巻き込まれた7人は団体旅行か 22人でホテル予約(産経ニュース)

 旅行会社“けがの8人日本のツアー客”(NHK)

 リスクマネジメントの話になりますが、旅行者のそれと、旅行会社のものとが
あります。

 2名が死亡されたと伝えられる旅行はホテルを楽天トラベルで、航空便は別途
手配されたようで、個人旅行の形態になっていると思われます。

 募集型企画旅行の場合、販売旅行会社が海外旅行傷害保険の加入案内をしている
はずです。また、ツアー自体が主催旅行保険に加入しており、その中の特別補償と
いう項目が不慮の事故に対応する事になっています。自由行動中も該当します。

 それぞれの被害にどういう補償が適用となるかが、事後の重要な問題です。

 楽天トラベルでホテルを予約されたお客様には、同社より口頭の保険加入案内
は無いと思われますが、サイト予約の過程で保険の加入案内への誘導はあったかも
しれません。

 いずれにしても、旅行会社の管理を離れたところで事故が起きた場合も、取り扱
い旅行会社という形で、当局への事情説眼や情報の開示を行う必要が出てきます。

 被害者や関係者としても、グアム領事館やグアム観光局といった公的機関より、
取り扱い旅行会社に帰国準備や事態収拾のフォローを求めるしかありません。
もちろん、海外旅行傷害保険に加入していれば、現地の保険対応窓口がお世話を
することになりますが、旅行会社も、その対応に不足感を訴えられることは避け
なければなりません。

 ウェブ予約の先にランドオペレーターがいたのか、ホテルと直接の場貸しだった
か判りませんが、日本のウェブサイトの責任も、規約条項に同意の上という契約も、
欧米に比べると良くも悪くも曖昧にする傾向があります。

 後日出されるであろう、グアム観光局からの事件経緯についてのメッセージが
納得性をもって受け入れられる為には、被害者とその関係者の心情を最大限汲んだ
旅行会社の対応が前提となることを、予め踏まえておくべきと考えます。

 ITのビジネスの中にも想定外のOtoO(オンライン・トゥ・オフライン)の
事態を想定しなければならない、辛い例となってしまいました。

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