2012年09月30日

旅行業で生き残るいくつかの形

「旅」は不思議です。三欲に次いで渇望される(消費)行動だと感じます。市場自体は大きいのです。市場規模16兆、うち旅行会社店頭取り扱いは4兆弱、団体営業取り扱い1.6兆、ウェブ、電話、直手配で9兆強(2011年JTB調べ)。法人営業は以下では触れません。

1.職場旅行
 細々とは生き残るでしょうが、社員旅行ではなく、個人旅行の小グループ化で仕分け上は国内・海外個人旅行に分類となる流れでしょう。

2.国内個人旅行
 マーケットは維持、拡大するでしょう。宿、交通手段は直手配が加速するでしょう。お得な宿泊、足つきパッケージは当面残るでしょうが、商品単価が安いため商品企画、広告宣伝、パンフレット製作のコスト、価格訴求の為の買い取りリスクと手数料支払いで常に逆ザヤのリスク下にあると思われます。
 ウェブの場貸しサイト(楽天、ヤフー、一休ほか)がビジネスとしては生き残るでしょう。店舗家賃不要で、システムも最低ソフトとサーバーで済みます。販促はSEO、SEMの世界なのでウェブ技術者頼み。

3.海外個人旅行
 マーケットは維持、拡大するでしょう。どこの国に行くにも平和、安全が前提。情勢不安も落ち着けば
復活。その間代替地に行ける。またFIT化はウェブの環境で更に進捗、直手配が増える。
 ただ、スケールメリットを生かした募集型企画旅行(パッケージツアー)は利便、コストパフォーマンスとも今のところ高付加価値。販売店も売りやすく、航空会社、ランドサプライヤーにも魅力的な販売チャネル。手間隙は相当かかっているので、オペレーションコストと、ウェブ契約の難しさ、オペレーションの手作業、手調整コストがネック。商品は生き残るがホールセラーの利益改善要。内情は燃油サーチャージを飲み込んだ販売価格でリスキー。

4.提携販売
 意外とダークホースで、旅行会社の未来系のヒントがあると考えます。代理店、提携販売店という現在の販売組織がまだまだ未発展、伸び代があるように見えます。ここではセブン&アイ/イトーヨーカドーのニュースを参考にします。
 
http://mainichi.jp/select/news/20120908k0000e020172000c.html

 イトーヨーカドーが3年後目途に8,600人の正社員を半数削減とあります。「仮に」セブンに3千人が転籍して3千の店舗が正社員により運営されることを想像してみましょう。脱サラのコンビニ残酷物語は枚挙に暇がありませんが、正社員との契約内容によってはスケールと小規模低コスト独立採算で、セブンは大きな利益を上げる可能性があります。ちなみに現在未出店の四国には2019年までに500店舗を計画中です。
 
 話を戻して、じゃあ旅行会社がどうするんだという話はここでは書きにくいです。ただ、総合旅行業務取扱主任資格保持者が自宅に一人商店を構え、会社の看板でご近所や町内の旅行営業をする。攻めの営業に有利な出店です。生保の外交員にも近いです。会社のバックアップでやる気があれば高収入の人も出てきます。固定費満載の組織の収入予算を賄うことは難しいですが、個人商店なら採算が取れ易いです。

 今回はここまで。
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posted by フレームツリー at 14:36| Comment(0) | 旅行業の将来型 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月28日

法人需要の変遷(おさらい)

 法人需要といっても多種、多岐にわたります。
職場旅行、報奨旅行、招待旅行、代理店会、パーティ、会議、研修、視察旅行、大会参加旅行、忘年新年会、社内出張・・・。

 昔(便宜上20年前)はひとくくり、「団体旅行」とも言っていました。

 会社全体での社員旅行。工場まで合わせるとバス10台といった規模が確かにありました。消費者のご招待、同じく1回数百人のシリーズ10本とか・・・。

 まず、この社員旅行というのが急激に減りました。高度経済成長期に、社員一丸となって! とやれば社員も報われた時代です。給料も、ポストも、福利厚生や各種手当など。そこに旅行も含まれました。

 結果、世の中は裕福になり、物価も下がり、購買の選択肢が増えると企業収益も減り、余計な経費をかけられなくなり、旅行、インセンティブも簡単には動かなくなりました。経費節減です。社員も職場での旅行を好まなくなりました。家族、友人と行く旅行と社員旅行のギャップが大きかったのでしょう。

 営業も過去、ローラーセールスとか、どぶ板営業、夜討ち朝駆けといった根性モノが一般的でした。そこに旅行があったからです。いったん顧客として獲得した企業からは、出張や、従業員の家族旅行、ご子息ご令息の新婚旅行だの、総需要を吸収できることもありました。旅行担当者や責任者の方も食事に誘ってくれたり、理想的な関係も構築できました。
 
 そういう時代でした。旅行会社の社員が重宝されたのです。旅行自体も、行程表作りも、手配も特別な仕事だったのです。

 そして一足飛びですが、現状。これは皆様にお聞きしたほうが具体的でしょう。セキュリティが厳しく、訪問営業ができない。見積もり提出まで漕ぎ着けたが、競合相手は当のオーガナイザーだった(直手配)など。笑い事ではありませんね。あとは、来社不要、メールでの打ち合わせのみ、とか。
 
 扱う仕事内容もどんどん変わり、広告代理店のようなサンプリング、商品発表会の会場手配だったり、「旅行」というイメージとは異なるものです。

 これからは、社会情勢、経済環境を先読みし、来るべき法人需要のあり方を予測、仮想することが必要ではないでしょうか?なにをやったら仕事をさせてもらえるのか?企業が抱えている課題は一体何だろう、と。時代は変わっても顧客目線は鉄則です。

 特に、ソリューション営業はひとつのアンカーとなりますから、営業担当者はターゲット企業の業界最新情報や動向、課題も勉強するべきです。無知な営業マンにソリューションなど期待してくれません。同時に「本気だな」、と感じてもらうことになります。これは前出のどぶ板営業の精神です。
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posted by フレームツリー at 15:02| Comment(0) | 法人営業 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月27日

ニュースを読む/SNS

本日以下のニュースがリリースされました。

http://news.mynavi.jp/news/2012/09/27/011/

SNSで参加者が行きたい旅行をみんなで組み立てる、というサービスです。
「共感トラベラー」という、フェイスブックを共有の「企画室」とする旅行企画コミュニティです。
JTBグループのグランドツアーが提供、という形のニュースです。

ついにJTBがSNSマーケットに乗り出した、かに見えますが、既存のサービスとのコラボです。

胴元はtrippiece(トリッピース)という、旅行をフェイスブックで催行させる会社です。
早稲田、慶応などの学生がベンチャーで2011年3月に起業しました。この夏には既に20,000人
の登録者を擁しています。IT広告代理店の潟Iプトが資本協力していたはずですがプロイールから
消えているようです。

http://trippiece.com/ (フェイスブックのアカウントがないと入れません)

見て頂くと物凄い数の、アイディア満載のツアーの数々です。
フェイスブック上で行きたい所と日程の相談が固まり、一定の人数が揃うと催行仮決定となります。
それを旅行会社に手配してもらい、売り上げの一定割合を手数料として取るビジネスモデルです。
よってトリッピース社は旅行業者ではありません。スタッフは殆どが学生のウェブ技術者、デザイナーです。

このモデルをみて、みなさん何を思われますか?

・ウェブサイトの持つ「場貸し」機能
・LinuxやWiki財団などが推進した「オープンソース」機能
・以上を可能にするフェイスブック(SNS)

このマーケットを1年半程で作り上げた強力なプラットフォームが”たまたま”旅行とマッチした。
別に商材は旅行では無くとも良かった筈です。彼らが旅行業者ではなかったから実現した、かも
しれない一例です。

今回、トリッピース社に実績があったからJTBも提携をしたと思いますが、トリッピース社の本音は
事業を高額で売却したかったのではないか、とチラッと思いました。
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posted by フレームツリー at 14:23| Comment(0) | Eコマース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月26日

対面販売のジレンマ

 旅行各社、店舗の統廃合、移転、縮小にて生産性の低下を食い止める営業政策にも限界が見えてきたように思います。店頭営業部門を分社したり、グループ会社に移管したりと対応方も様々です。

 来店客数の減少、旅行単価の低下、コミッション率の低下とゼロ化。昔は良かった、という反省材料にもならないことを口にする人もいますが、時代の流れ、マーケットの成熟化の結果(まだ続きますが)と言わざるを得ません。

 インターネットの普及で旅行会社より消費者の方が詳細でアップトゥデートな現地情報を入手したり、来店時の相談で的確なアドバイスを得られないと、自分で調べるツールで用を足してしまいます。これが店頭の客離れのひとつの形。

 旅行会社を代理店として利用するアタマがもともと無い。我々で言うところのサプライヤーとウェブを通しての直接契約が半ば常態化しつつあります。

 では、旅行会社の店頭を利用することのメリットは一体何でしょう?ありきたりの利便の羅列では答えになりません。「いや、別にそれはいいよ、自分で出来るし」と返されない価値を創造できるでしょうか?

 「専門性」、「ホスピタリティ」、「信頼感」、これらはそれを必要とする人とそうでない人がいます。

 今後、リアル店舗を減らす会社はあれ、増やすことを考えているところは無いでしょう。店頭営業のポテンシャル、それは店舗運営の効率性が大きなカギを握っています。
 

1.旅行会社を必要とする客層に徹底的に特化した店作り

2.徹底的に低コストな新しい販売形態を考案(模倣)する

Eコマース、法人営業と営業のカテゴリー分けを維持するならば、上記は個人観光性市場の巻き返し、マーケット創造のヒントではないかと思います。具体的には想像してみて下さい。
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posted by フレームツリー at 15:34| Comment(0) | 店頭営業 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月24日

会社を辞めて消費者になってみると・・・

旅行会社勤務時代、2002年頃のことです。
HISがベンチャーの旅行会社として格安の海外航空券を販売し、大手の一角に
切り込もうとしていた時期でした。
いわゆる価格破壊の尖兵でもありましたし、流通革命は彼らから始まったと思っています。

格安航空券は今や当たり前の商品となりました。本当は「高く」売りたかった航空会社同士
が競って正規(格安)割引運賃を設定、経費を削るために旅行会社への販売手数料をゼロに
した経緯です。

私はというと、在籍中はあんなに敵対視していた競合会社のはずなのに、客観的に眺められる
ようになりました。

先日、国内航空券を古巣に頼まず、航空会社のウェブサイトから予約購入してしまいました。
安い座席が残り少なかったからです。しかも夜中でした。

旅行販売の現場には、今は「答え」は見つけにくくなっています。購買の現実を直視し、現場
以前の「消費の心理学」に正対することが必要です。
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posted by フレームツリー at 16:05| Comment(0) | 顧客(”答えは現場に”) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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